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ローズゼラニウムが花が咲かない?原因と対策を初心者向けに解説

「大切に育てているローズゼラニウムに、なぜか花が咲かない…」そんな悩みを抱えていませんか。良い香りと美しい葉を楽しめるローズゼラニウムですが、花が咲かないと少し寂しく感じますよね。

葉っぱばかりが元気に茂る一方で、肝心の花芽がつかなかったり、茎が長いやる気のない姿に伸びてしまったりと、お困りの方もいらっしゃるかもしれません。中には、株元が茶色く硬くなる木質化が進み、葉が増えない状態になってしまうこともあります。

この記事では、ローズゼラニウムの花が咲かない原因を優しく解き明かし、基本的な花の咲かせ方から、適切な切り戻し時期、さらには冬の剪定の注意点や、剪定枝を活用した挿し木の方法まで、あなたの疑問に一つひとつ丁寧にお答えします。

この記事を読み終える頃には、あなたのローズゼラニウムが再び美しい花を咲かせるための具体的なステップが明確になっているはずです。

ポイント

  • ローズゼラニウムの花が咲かない原因と基本的な対策
  • 葉ばかり茂り花が咲かないときの具体的な花の咲かせ方
  • 伸びすぎた茎や木質化した株を再生させる剪定のコツ
  • 剪定後の枝を活用した挿し木での増やし方と管理方法

 

ローズゼラニウムが花が咲かせない主な原因

ローズゼラニウムの花が咲かないとき、考えられる原因は一つではありません。日照不足や栄養の偏り、病害虫など、様々な要因が絡み合っている可能性があります。ここでは、まず花が咲かなくなる主な原因と、基本的な対策について掘り下げていきます。

  • 葉っぱばかり茂るときの栄養バランス
  • 葉が増えないときに確認すべき日照と水やり
  • 基本的なローズゼラニウムの花の咲かせ方
  • 原因となる病害虫の対策と予防法

 

葉っぱばかり茂るときの栄養バランス

ローズゼラニウムの葉が青々と元気に茂っているにもかかわらず、花が咲かない場合、その原因は肥料の栄養バランスにある可能性が高いです。特に、窒素成分の過多が考えられます。

植物の成長に欠かせない肥料の三大要素には、それぞれ異なる役割があります。

  • 窒素(N): 葉や茎の成長を促進する「葉肥(はごえ)」
  • リン酸(P): 花つきや実つきを良くする「花肥(はなごえ)」
  • カリウム(K): 根の成長を助け、植物全体を丈夫にする「根肥(ねごえ)」

このため、窒素成分の割合が高い肥料を与えすぎると、光合成を行う葉ばかりが成長し、花を咲かせるためのエネルギーが不足してしまうのです。

花を咲かせたい場合は、リン酸成分の割合が高い肥料に切り替えることが効果的です。市販の液体肥料や固形肥料のパッケージには「N-P-K = 6-10-5」のように成分比率が記載されていますので、この中央の数字である「P(リン酸)」が高いものを選びましょう。

ただし、肥料の与えすぎは根を傷める「肥料焼け」を引き起こす可能性もあります。特に株が弱りがちな夏や、成長が緩やかになる冬は施肥を控えるのが賢明です。春や秋の生育期に、製品の規定量を守って与えることが大切です。

葉が増えないときに確認すべき日照と水やり

葉っぱばかり茂るのとは逆に、葉の数が増えず、株全体に元気がない場合、日照条件と水やりの方法を見直す必要があります。これらは植物の生育の基本であり、不適切な環境は株の活力を著しく低下させます。

日照不足の影響

ローズゼラニウムは日光を好む植物です。日照時間が不足すると光合成が十分に行えず、成長に必要なエネルギーを作り出せません。その結果、葉の色が薄くなったり、新しい葉が出にくくなったりします。

対策としては、鉢植えであれば日当たりの良い場所に移動させることが最も簡単です。ただし、日本の真夏の直射日光は葉焼けの原因となるため、夏場は午前中だけ日が当たる半日陰や、木漏れ日が差すような優しい光環境に移してあげると良いでしょう。

水やりの過不足

水のやりすぎは、ゼラニウムの生育不良で最も多い原因の一つです。ローズゼラニウムは乾燥気味の環境を好むため、土が常に湿っている状態は根腐れを引き起こします。根が傷むと水分や養分を吸収できなくなり、葉が増えないどころか、枯れてしまうことにも繋がります。

水やりの基本は「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことです。そして、次の水やりまでには、土がある程度乾くのを待ちます。特に湿度が高い梅雨の時期は、雨が直接当たらない軒下などに移動させ、過湿にならないよう管理することが鍵となります。

基本的なローズゼラニウムの花の咲かせ方

ローズゼラニウムの花を毎年楽しむためには、これまで見てきた栄養、日照、水やりに加え、いくつかの基本的な管理作業が大切になります。これらを実践することで、株が健康に育ち、花芽をつけやすい状態を維持できます。

その一つが「花がら摘み」です。咲き終わった花をそのままにしておくと、株は種子を作るためにエネルギーを消費してしまいます。このエネルギーを次の花を咲かせるために使ってもらうため、咲き終わった花は、花茎の付け根からこまめに摘み取りましょう。手で横に倒すようにすると、簡単に摘むことができます。

また、生育環境の温度管理も花つきに影響します。ローズゼラニウムの生育に適した温度は15℃~25℃程度です。夏場の高温期や冬の霜が降りるような低温期は、株にとってストレスとなり、花が咲きにくくなります。

前述の通り、夏は涼しい半日陰へ、冬は霜の当たらない室内の日当たりの良い窓辺などに取り込んで保護することで、株の体力を温存させ、次のシーズンの開花に繋がります。

原因となる病害虫の対策と予防法

株が弱っていると、病害虫の被害にも遭いやすくなります。これが原因で生育が阻害され、花が咲かなくなることも少なくありません。ローズゼラニウムで特に注意したいのは、アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシなどです。

主な害虫と対策

害虫の種類特徴と被害対策方法
アブラムシ新芽や茎に群生し、養分を吸う。ウイルス病を媒介することも。数が少ないうちはテープなどで取り除く。大量発生した場合は、牛乳スプレーや市販の殺虫剤を散布する。
ハダニ高温乾燥期に発生しやすい。葉の裏に寄生し、葉の色を悪くする。葉の裏に霧吹きで水をかける「葉水」が予防に有効。被害が見られたら専用の殺ダニ剤を使用する。
ヨトウムシ夜間に活動し、葉や新芽を食害する夜盗虫。日中は土の中に隠れている。被害を見つけたら、夜間に探して捕殺するか、土にまくタイプの殺虫剤を使用する。

これらの害虫は、早期発見・早期駆除が基本です。日常的に葉の裏や新芽をチェックする習慣をつけましょう。

また、病害虫の発生を抑えるためには、風通しの良い環境で管理することが非常に有効です。枯れた葉を取り除いたり、後述する剪定を行ったりして、株内部の風通しを良く保つことを心がけてください。

ローズゼラニウムの花が咲かない悩みを剪定で解決

ローズゼラニウムを育てていると、茎が間延びしてしまったり、株元が硬い木質になったりして、姿が乱れてくることがあります。このような状態も、花が咲かなくなる一因です。適切な時期に剪定(切り戻し)を行うことで、株を若返らせ、花つきを良くすることができます。

  • 茎が長い状態は切り戻しで樹形を整える
  • 最適な切り戻し時期は梅雨前と初秋
  • 木質化で葉がない茎は思い切って剪定
  • ローズゼラニウムの剪定、冬は避けるべき?
  • 剪定した枝は挿し木で簡単に増やせる

 

茎が長い状態は切り戻しで樹形を整える

ローズゼラニウムの茎がひょろひょろと長く伸びてしまう「徒長(とちょう)」という現象は、主に日照不足が原因で起こります。光を求めて茎が上へ上へと伸びるため、節と節の間が長くなり、葉の数も少なくなって見栄えが悪くなります。

このような状態を解決するのが「切り戻し」です。切り戻しとは、伸びすぎた茎を短く切り詰める剪定作業のことで、いくつかのメリットがあります。

  • 樹形の改善: 株全体の高さを抑え、コンパクトでバランスの取れた姿に整えられます。
  • 花つきの促進: 切った茎の下にある節から新しい脇芽が伸びてきます。枝数が増えることで、花を咲かせる場所も増え、結果としてたくさんの花を楽しむことができます。
  • 風通しの改善: 混み合った枝葉を整理することで風通しが良くなり、病害虫の予防にも繋がります。

切り戻しを行う際は、株全体のバランスを見ながら、元気な葉が数枚残るように茎を切り詰めます。目安としては、株元から1/3から1/2程度の高さまで大胆に切っても問題ありません。切る位置は、節(葉が出ていた跡)の少し上を選ぶのがポイントです。

最適な切り戻し時期は梅雨前と初秋

切り戻しは株に負担をかける作業でもあるため、実施する時期が非常に大切です。ローズゼラニウムの切り戻しに最も適した時期は、生育期にあたる春と秋です。

時期別の剪定目的

時期目的とポイント
梅雨入り前(5月~6月)春に咲いた花が一通り終わったタイミング。高温多湿の夏を迎える前に、株の風通しを良くして蒸れを防ぐ目的で行います。この時期に切り戻すことで、秋に再び花を咲かせる準備ができます。
初秋(9月~10月)夏の暑さで乱れた樹形を整えるための剪定です。厳しい夏を越えた株をリフレッシュさせ、冬に向けて株を充実させます。この時期に切った枝は、後述する挿し木にも最適です。

逆に、株の生育が停滞する真夏や真冬に強い剪定を行うのは避けましょう。特に真夏は、切り口から雑菌が入ったり、株が弱って回復が遅れたりするリスクが高まります。また、真冬の剪定も、寒さで株がダメージを受ける原因となり得るので、枯れ枝を取り除く程度の軽い手入れに留めるのが賢明です。

木質化で葉がない茎は思い切って剪定

ローズゼラニウムを長年育てていると、株元の茎が茶色く硬くなり、まるで木の幹のようになる「木質化」という現象が見られます。これは植物の老化現象の一種で、木質化した部分からは新しい葉や芽が出にくくなります。

木質化が進んで葉がない状態の茎ばかりになると、光合成ができる部分が減り、株全体の活力が低下して花も咲かなくなります。

このような状態になってしまった場合は、思い切った強い剪定で株の若返りを図りましょう。木質化している部分であっても、少し緑色が残っている箇所や、小さな芽が確認できる節があれば、その少し上で切り戻します。そうすることで、残された節から新しい芽が吹き、株が再生する可能性があります。

ただし、株元まで完全に木質化してしまっている場合は、剪定しても新しい芽が出ないこともあります。その場合は、まだ元気な上部の枝を使って挿し木を行い、新しい株を育てる「株の更新」を検討するのが良いでしょう。木質化は避けられない現象ですが、定期的な切り戻しによって、進行を遅らせ、若い状態を長く保つことが可能です。

ローズゼラニウムの剪定、冬は避けるべき?

前述の通り、ローズゼラニウムの強い剪定は、生育が旺盛な春か秋に行うのが基本です。では、冬の間の手入れはどうすれば良いのでしょうか。

結論から言うと、冬の間の強い剪定は避けるべきです。冬はローズゼラニウムの生育が緩やかになる休眠期にあたります。この時期に枝を大きく切り詰めると、切り口から寒さによるダメージを受けたり、春からの成長に必要なエネルギーを蓄えられなくなったりする恐れがあります。

ただし、手入れが全く不要というわけではありません。冬の間に行うべき剪定は、主に以下のような軽いものに留めます。

  • 枯れ葉や枯れ枝の除去: 枯れた部分は病気の原因にもなるため、見つけ次第取り除きます。
  • 混み合った部分の整理: 風通しを悪くしている細い枝や、内側に向かって伸びている枝を軽く間引く程度なら問題ありません。

本格的な樹形を整える剪定は、暖かくなり始める3月頃、冬越しを終えた株が活動を始める直前に行うのが理想的です。これにより、株はスムーズに新しい芽を伸ばし、春からの成長期を元気にスタートさせることができます。

剪定した枝は挿し木で簡単に増やせる

切り戻しで出た枝を、そのまま捨ててしまうのはもったいないです。ローズゼラニウムは非常に繁殖力が強く、剪定した枝を使って簡単に「挿し木」で新しい株を増やすことができます。

挿し木は、親株と全く同じ性質を持つ株(クローン)を増やせるのが魅力です。お気に入りの株を増やしたり、古くなった株を更新したりするのに最適な方法です。

挿し木の基本的な手順

  1. 挿し穂の準備: 剪定した枝の中から、元気でしっかりしたものを選び、長さ10cmほどに切り分けます。先端に数枚の葉を残し、下のほうの葉は取り除きます。葉が大きい場合は、水分の蒸散を防ぐために半分ほどの大きさにカットします。
  2. 切り口の処理: 切り口をカッターナイフなど切れ味の良い刃物で斜めに切り直します。その後、切り口を半日ほど乾燥させるか、水に1~2時間つけて吸水させます。
  3. 土に挿す: 清潔な挿し木用の土(肥料分のない赤玉土や鹿沼土、バーミキュライトなど)をポットに入れ、湿らせておきます。そこに割り箸などで穴を開け、挿し穂の切り口を傷めないようにそっと挿します。
  4. 発根までの管理: 根が出るまでは、直射日光の当たらない明るい日陰で、土が乾かないように管理します。2~4週間ほどで発根し、新しい芽が伸びてきたら、一回り大きな鉢に植え替えます。

挿し木の適期も、剪定と同じく春(5~6月)と秋(9~10月)です。この方法で、一つの株からたくさんのローズゼラニウムを育てることができます。

正しい手入れで解決できるローズゼラニウムの花が咲かない悩み

この記事では、ローズゼラニウムの花が咲かないときに考えられる様々な原因と、具体的な解決策について解説してきました。最後に、大切なポイントを箇条書きでまとめます。

  • ローズゼラニウムの花が咲かない原因は一つではない
  • 葉っぱばかり茂るなら窒素過多のサイン
  • 花を咲かせたいならリン酸が多い肥料を選ぶ
  • 肥料の与えすぎは根腐れの原因になるので注意
  • 葉が増えないのは日照不足や水のやりすぎが考えられる
  • 夏場の直射日光は葉焼けを起こすため避ける
  • 水やりは土が乾いてからたっぷりが基本
  • 咲き終わった花がらはこまめに摘み取る
  • 茎が長く伸びすぎたら切り戻しで樹形を整える
  • 切り戻しで枝数が増え花つきが良くなる
  • 最適な切り戻し時期は梅雨前と初秋の年2回
  • 真夏や真冬の強い剪定は株を傷めるので避ける
  • 株元が硬くなる木質化は老化現象
  • 木質化で葉がない茎も思い切った剪定で再生可能
  • 剪定で出た枝は挿し木で簡単に増やせる

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